生物とウイルスの違いについて 

 今回は、生物とウイルスの違いをいくつか紹介していきたいと思います。

「ウイルスが生物である」と考える方も多くいると思いますが、今回は「ウイルスは生物ではない」ことを前提として進めていきます。

ウイルスと生物の違いの中でも、代表的なものをいくつかピックアップしてみました。

今後の研究で新たに発見されることもあると思いますが、今分かっていることを紹介していこうと思います。

目次

①細胞構造の有無

 生物とウイルスを区別する中で、最も代表的なものは、「細胞構造」の有無です。

私たち生物の体は、たくさんの細胞が集まってできていますが、実はウイルスは細胞構造を持っていません。びっくりですよね。(笑)

ではウイルスはいったい何でできているのかというと、基本的にはタンパク質とDNA(またはRNA)です。ウイルスはタンパク質の殻が、DNAやRNAを覆っているものが多く存在します。インフルエンザウイルスも、そのうちの一つです。

また、今世界中を脅かしているコロナウイルスは、RNAを遺伝情報としてもっているので、ワクチンもRNAから作った「RNAワクチン」を使用しているというわけです。

②遺伝物質の違い

 ①で、ウイルスはDNAやRNAをもっていると説明しましたが、我々生物も、DNA、RNAともに持っています。

では何が違うのかというと、それらの「使い方」です。

私たち生物は、遺伝物質としてDNAを使います。逆に言うと、RNAを遺伝物質として、使うことが出来ません。

しかし、ウイルスの場合には、DNAもRNAも両方遺伝物質として使います。

コロナウイルスも、RNAを使って増殖するウイルスの一つです。

 

③増え方の違い

 生物とウイルスとでは、遺伝物質という点で違いがあるということですが、実はその増殖の仕方にも違いがあります。

ウイルスの増殖方法ですが、実は彼らは自分たちだけで増殖することが出来ません

ウイルスは、寄生した宿主の細胞をうまく利用して、増殖を繰り返しています。

たとえ話をすると、ウイルスは自分をコピーする設計図を持ってはいますが、コピーを作るのに必要な材料や装置を持っていません。そこで、材料や装置のある工場に行き、自分のコピ―を作るようなイメージです。私は賢いやり方だなと思いました。

 

④進化の速さ

最後に、進化の速さを挙げたいと思います。ウイルスは生物が進化するよりもかなり速いスピードで進化しています

コロナウイルスの変異株の例を見てみてもよく分かりますね。

特にコロナウイルスなど、RNAを遺伝物質としたウイルスは、進化が速いと言われています。

これはなぜかというと、DNAよりもRNAを複製するときの方が、変異が起きやすく、変異して作られたものが、元のウイルスと性質の少し違う新たなウイルスとなるためです。この変異は進化と呼んでも外れてはいないので、「変異しやすい=進化しやすい」ということになります。

 

まとめ

 今回はウイルスと生物の違いをいくつか紹介していきました。

コロナウイルスをはじめ、改めてウイルスの増殖の恐さと厄介さを実感しました。

一刻もはやく全世界でコロナが収束してほしい今日この頃です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。